歯列矯正を検討中の方にまず知っておいていただきたいのが、ブラケット*矯正とマウスピース矯正(インビザラインを含む)の違いです。
ここではそれぞれの特徴を、メリットとデメリットに分けてお伝えします。
*歯の表面に取りつけ、ワイヤーを通して力を加えることで歯を正しい位置に動かす矯正装置
【ブラケット矯正】
○ブラケット矯正のメリット
• 高い精密性:歯を個別にコントロールしやすく、複雑な歯並びや噛み合わせの矯正に効果的
• 適応範囲が広い:軽度から重度の歯並びまで対応可能
• 装着忘れの心配なし:固定式のため、装置を外すことによる治療の遅れがない
• 治療後の安定性:リテーナー*を適切な期間装着すれば後戻りが少なく、治療結果が長く維持しやすい
*矯正治療後の歯並びや周辺組織の安定を図るための保定装置
×ブラケット矯正のデメリット
• 見た目:金属製の装置が目立ちやすい
• 口腔内の不快感:装置に慣れるまでは異物感や痛みを感じることがある
• 衛生管理の重要性:ブラケット周りの清掃や定期的な歯科医院でのクリーニング等、適切なケアを怠ると虫歯リスクが高まる可能性がある
装置を固定して歯を個別に動かすブラケット矯正の成功の鍵は、ブラケット周りの清掃や定期的な歯科医院でのクリーニングをきちんと行うこと、矯正終了後にリテーナーを適切な期間装着することにあると言えるでしょう。
【マウスピース矯正】
○マウスピース矯正のメリット
• 目立たない:透明なマウスピースで、ブラケットやワイヤーがないため矯正装置が目立たない
• 取り外し可能:食事や歯磨き時に取り外せるため、日常生活に取り入れやすい
×マウスピース矯正のデメリット
• 自己管理が必要:1日20時間以上の装着が必要で、使用者の意識や努力に左右される
• 後戻りしやすい:装着時間が不十分だと治療効果が減少し、後戻りのリスクが高まる
• 適応範囲が限定的:複雑な歯並びや噛み合わせの問題に不向き。対応できる症例が限られている
• 再治療の可能性:不適切な装着や治療計画のずれにより、やり直しが必要になる場合がある
• 衛生管理の重要性:マウスピースと歯の両方の衛生管理を十分にしないと、虫歯や歯周病のリスクが高まる
自己管理や衛生管理の重要度が高いマウスピース矯正の成功の鍵は、経験と実績の豊富な歯科医院を選ぶこと、患者さんご本人が「食事と歯磨きのとき以外は絶対にマウスピースを付け続ける」という強い意志を持つこと、マウスピースと歯の両方の衛生管理を十分にすること、矯正終了後にリテーナーを適切な期間装着することと言えそうです。